この記事の目次
人的資本経営とは?
人的資本経営とは、“人材=資本”の考え方を軸とし、人材へ投資することで、企業価値の向上を目指す経営手法を指します。
また経済産業省は、人的資本経営を、次のように定義しています。
人的資本経営とは:
人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方
※上記でいう「資本」とは:
投資によって付加価値を生み出すことが可能なものを表します。
実際に投資家などのステークホルダー(利害関係者)は、企業の将来性を評価・判断する指標として、人的資本に注目しています。その結果、近年では以下の情報開示を強く求めるケースも増えているようです。
- 人材育成への取り組み
- 管理職登用の状況 など
加えて、政府は2023年度から一部企業に対して、有価証券報告書への人的資本情報記載の義務化を方針付けました。対象企業に関しては、事前準備を進める必要があります。
そのため、人的資本経営への取り組みと、人的資本の情報開示は、今後より重視されるでしょう。
人的資本経営に関する情報を、より詳しく知りたい方はこちらをご覧ください!
人的資本経営を成功させる4つのコツ!
人的資本経営は、“ただやみくもにアクションを起こせば良い”わけではありません。
成功を収めるためには、押さえるべきコツが存在します!
この項目では、人的資本経営を成功させる4つのコツを徹底調査しました。
それぞれを詳しく見ていきましょう。
(1)人的資本価値を向上させる
1つ目のコツは、人的資本価値を向上させることです。
人的資本経営において重要なのは、人材への教育といえます。
人的資本価値を向上させるためにも、下記事項に注意し、人材への教育を進めましょう。
- 従業員への教育計画を策定すること
- 一人ひとりが成長できる環境を整備すること
適切な教育を実施するためにも、「一人ひとりの持つスキルや経験」「希望のキャリアパス」を、事前に把握することが大切です。
人材への教育のために、研修やセミナーを活用する企業は多いかと思います。
実は“企業の研修やセミナーに活用できる可能性がある”補助金が存在します!
その補助金とは、「事業再構築補助金」「ものづくり補助金」の2つです。
詳細については、のちほど解説いたします。ぜひチェックしてみてください。
(2)人的資本の情報開示を行う
2つ目のコツは、人的資本の情報開示を行うことです。
前述した“人的資本の価値を高める取り組み”を行うことに加え、その情報を公開すれば、企業価値向上につながります。
なぜなら、実際に投資家などのステークホルダー(利害関係者)は、企業の将来性を評価・判断する指標として、人的資本に注目しているため。
その結果、近年では以下の情報開示を強く求めるケースが増えています。
- 人材育成への取り組み
- 管理職登用の状況 など
人的資本に関する情報が開示されると、投資家などのステークホルダー(利害関係者)は、企業価値を中長期的な視点から評価できるようになるでしょう。
そうなると、最終的に開示した情報が評価された企業は、さらなる投資を集めやすくなります。
(3)戦略との紐づけを強化する
3つ目のコツは、戦略との紐づけを強化することです。
人的資本経営を進めるうえで、“人材戦略と経営戦略がかけ離れてしまう”事態を招くこともあるでしょう。
たとえば、以下のようなパターンが考えられます。
- 自社の状況が変化しているのも関わらず、社内の制度・規定が細分化されている。
- その結果、さまざまな事態において、柔軟な対応が難しくなってしまっている。 など
そのため、人事部門は採用・研修などの目先の課題への対応に加え、次の点に留意しましょう。
- 経営戦略を紐とくこと
- 未来を見据えた検討を重ねること
また、これらの課題をクリアするために、おすすめしたい方法が「バックキャスト思考」です。
「バックキャスト思考」とは:
将来の制約(問題)を受け入れて、生活者に新たなライフスタイルへの変容を促すことで問題を解決する思考のこと。加えて、現在に戻って変容の推進に向けた施策を開始します。
「バックキャスト思考」を取り入れれば、全社的に目標とする未来像を描き、実現する道筋を未来から現在にさかのぼって考えやすくなります。
そのための手段として、人材戦略と経営戦略の擦り合わせを行い、紐づけを強化することが大切です。
(4)“自社ならではの強み・魅力”を大切に
4つ目のコツは、“自社ならではの強み・魅力”を大切にすることです。
人的資本経営を行ううえで、企業がよく陥りがちな課題があります。
代表的なものを下記にピックアップしたため、ご覧ください。
- 「他社もやっているから」と、右にならえ状態に。独自性を訴求できなくなってしまう。
- ガイドラインや指針に準拠するあまり、重要視していないKPIを設定する。など
KPIとは:
組織・チームでの設定した最終的な目標を達成するための、過程を計測・評価する指標です。
Key Performance Indicator(キー・パフォーマンス・インディケーター)」の略で、日本語では「重要業績評価目標」「重要達成度指標」と呼ばれています。
このような課題があるまま、人的資本経営の取り組みを開始すれば、「ただ自社の情報を開示すること」がゴールになってしまいます。
もちろん、開示義務や他社との比較対応も大事な観点です。
しかし、“自社がありたい姿を大切にすること”を忘れてはなりません。
そこで、実践してほしいのが、下記の流れで議論を進めることです。
- なぜ取り組むのか?(経営戦略と人材戦略と紐づけ)
- 何が重要か?(テーマの設定)
- どのように高めていくか(具体的なアクション)
人材に関する内容であるため、人事部門だけで進めてしまうこともあるかもしれません。
しかし、人的資本経営は財務や広報など、すべての全部署が関係してきます。そのため、全員で同じ方向を向いて進めてこそ、真価が発揮されるでしょう。
人的資本は無形資産であり、定量化して図りにくいものです。
だからこそ、全社的に同じ方向を向いて進み、「自社ならではの強み・魅力を引き出していくこと」が重要な要素といえます。
人的資本経営で、補助金を受け取れる可能性も!
人的資本経営に取り組むうえで、補助金・助成金を受け取れる可能性があります!
人的資本経営で重要な事項の一つとして、下記が挙げられます。
人的資本を高めること
また、人的資本を高めるための施策として、人材への教育は欠かせないといえるでしょう。
自社の従業員が持つスキル・能力を高めれば、結果的に企業価値向上につながります。
そのため従業員への教育計画を策定し、一人ひとりが成長できる環境を整えましょう。そういった目的を果たすため、研修やセミナーを活用する企業も、比較的多く見受けられます。
そこで活用したいのが、下記の補助金です!
- 「事業再構築補助金」
(対象経費:専門家経費、研修費) - 「ものづくり補助金」
(対象経費:専門家経費)
これらの補助金に関しては、業種・状況次第にはなりますが、申請できる可能性があります。
「今後、自社で従業員に研修などを行ってみたい」「教育体制をより充実させたい……」という場合は、補助金の活用をぜひご検討ください。
人的資本経営を成功させ、企業価値を高めましょう!
この記事では、人的資本経営を成功させる4つのコツを解説しました。
企業間の競争が激しくなっている現代では、人材の価値を引き出す経営スタイルは欠かせないものです。自社の成長を強く後押しする、人的資本経営をぜひ実践してみてはいかがでしょうか?
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