人的資本経営の成功事例5つ!受け取れる可能性がある補助金は?

人的資本経営の成功事例5つ!受け取れる可能性がある補助金は?
人的資本経営の成功事例5選をまとめました。受け取れる可能性がある補助金も解説します。ぜひ最後までご覧ください。

この記事の目次

人的資本経営とは?

人的資本経営とは、“人材=資本”の考え方を軸とし、人材へ投資することで、企業価値の向上を目指す経営手法を指します。

また経済産業省は、人的資本経営を、次のように定義しています。

人的資本経営とは:
人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方

※上記でいう「資本」とは:
投資によって付加価値を生み出すことが可能なものを表します。

実際に投資家などのステークホルダー(利害関係者)は、企業の将来性を評価・判断する指標として、人的資本に注目しています。その結果、近年では以下の情報開示を強く求めるケースも増えているようです。

  • 人材育成への取り組み
  • 管理職登用の状況 など


加えて、政府は2023年度から一部企業に対して、有価証券報告書への人的資本情報記載の義務化を方針付けました。対象企業に関しては、事前準備を進める必要があります。

そのため、人的資本経営への取り組みと、人的資本の情報開示は、今後より重視されるでしょう。

人的資本経営に関する情報を、より詳しく知りたい方はこちらをご覧ください!

人的資本経営の成功事例5選!

この項目では、人的資本経営の成功事例5選をまとめました。

(1)旭化成株式会社

旭化成株式会社は、日本の大手総合化学メーカーの一つです。「優秀な人材の採用と成長を支えること」「サステナビリティを追求すること」を、目標として掲げています。

同社は、経営戦略の実現に必要な人材ポートフォリオを、主に以下の場面で活用しています。

  • 新卒採用
  • 中途採用
  • 社員教育

人材ポートフォリオとは:

企業内の人的資源の構成内容を指します。各従業員がどのような経験・スキルをもっているか、適切に把握するのが目的です。人材ポートフォリオにより、経営戦略実現のためのギャップを埋める計画を作成できる点が、大きなメリットでしょう。

同社の人材ポートフォリオは、人材の質と量を事業軸と機能軸の両面から検討しています。そのため、経営戦略と融合しやすく、社員の納得度合いをグッと高められるでしょう。

加えて、求める人材が採用できない場合は、M&Aを通じた人材獲得にも動くようにしています。

また、従業員意識調査の内容を見直し、社員のエンゲージメントを高める取り組みも行っています。KSA(活力と成長アセスメント)を導入し、上司と部下の対話から、よりよい環境を生み出せるよう、考慮しているそうです。

“経営戦略と人材戦略の連動”において、参考になる事例といえるでしょう。

(2)東京海上ホールディングス株式会社

東京海上ホールディングス株式会社は、国内損害保険事業、国内生命保険事業、海外保険事業、金融・一般事業の4つの事業領域を有する、東京海上グループの保険持株会社です。

同社は「多様な人材の連帯」を人材戦略に掲げています。また、社員間のコミュニケーションをより円滑にするため、まじめな話を気楽にできる「マジきら会」を実施しているそうです。

「マジきら会」とは:

まじめ(マジメ)な話を、気楽(きらく)な雰囲気の中で論議する会議のこと

上記の「マジきら会」は、各社合同でたびたびテーマを決めて行われています。そのようななかで、2018年8月には「アンコンシャス・バイアス」について、話し合う機会があったとのことです。

「アンコンシャス・バイアス」とは:

具体的に言うと、自分自身が気づいていないものの見方や捉え方の歪み・偏りのことです。理解のないままに指導・サポートしても、逆に押し付けとなるため、注意が必要でしょう。

その結果、「相手の考え方に寄り添い、ひも解くことが大切だと思う」などの意見が飛び交うなど、議論が盛り上がりました。

「上司や部下、性別などに関わらず、多様な考え方などをお互いに理解し合うことが重要である」という、気持ちが高まる会になったようです。

(3)キリンホールディングス株式会社

キリンホールディングス株式会社は、ビールメーカーのキリンビール、清涼飲料水メーカーのキリンビバレッジなどを傘下を持つ、キリングループの持株会社です。

人的資本経営をするうえで、企業の情報開示は非常に重要な要素を占めます。

そこで、同社は、人的資本を含む非財務目標の開示にて、非常に具体的で細かい目標設定をしています。
また、達成のための戦略によって、次のように具体的な開示を行っているそうです。

キリンホールディングス株式会社|情報開示の例

  • 課題:多様な価値観をもった人材が活躍できる環境づくり
  • 目標:女性経営職比率30%、キャリア採用比率30%
  • 現状:女性経営職比率10.24%、キャリア採用比率26.8%
  • 具体的な取り組み:「女性リーダー育成研修の実施」「ダイレクトリクルーティング拡大」「採用者のオンボーディング強化」など

このように自社の組織の現状と目標を明確にすれば、ギャップを埋めるための戦略策定が可能です。

さらに、目標と戦略が具体的になれば、社外のステークホルダー(利害関係者)からの安心材料にもなります。“測定可能な目標と達成のための戦略”において、参考になる事例でしょう。

(4)伊藤忠商事株式会社

伊藤忠商事株式会社は、現在は世界61ヶ国に約90の拠点を持つ大手総合商社です。

繊維、機械、金属、エネルギー、化学品、食料、住生活、情報、金融の各分野において国内、輸出入及び三国間取引を行っています。そのほか、国内外における事業投資など、幅広いビジネスを展開している企業です。

同社は「持続的な成長に必要な人材戦略」を設定し、重要な経営戦略に位置付けています。また、同社の経営理念「三方よし」のもと、多面的な戦略目標を立てています。

加えて「優秀な人材の確保」「効率性の追求」など、それぞれの目標に対して、施策と成果を開示。ステークホルダー(利害関係者)の理解を促し、企業価値のさらなる向上を目指しているそうです。労働生産性を社外に発信し、人的資本経営の取り組みが、社会から評価されるよう努めています。

一方で、本質を追求した人事戦略では、労働生産性の向上を重視しているとのこと。学生をはじめとした労働市場に発信を行い、自社への興味・関心をより引けるよう、積極的なアクションを行っています。

(5)KDDI株式会社

KDDI株式会社は、国内屈指の大手通信企業です。

同社は経営層や各事業部門・人事部門の密接な連携により、信頼関係を構築しています。
その具体的なアクションとして、下記が挙げられます。

  • 人材ポートフォリオを、最大限に生かすための事業転換を実施する
  • 事業ニーズに応じた、多様な人材の採用・育成・配置を実施する など

これらの施策によって、経営戦略と人事戦略の連携が深く根付いたそうです。

さらに、通年採用・入社で留学生などを、積極的かつ柔軟に受け入れています。
その結果、キャリア採用は“約10年で10倍”にまで伸びました。

人的資本経営で、補助金を受け取れる可能性も!

人的資本経営に取り組むうえで、補助金・助成金を受け取れる可能性があります!

人的資本経営で重要な事項の一つとして、下記が挙げられます。

人的資本を高めること

また、人的資本を高めるための施策として、人材への教育は欠かせないといえるでしょう。

自社の従業員が持つスキル・能力を高めれば、結果的に企業価値向上につながります。

そのため従業員への教育計画を策定し、一人ひとりが成長できる環境を整えましょう。そういった目的を果たすため、研修やセミナーを活用する企業も、比較的多く見受けられます。

そこで活用したいのが、下記の補助金です!

  • 「事業再構築補助金」
    (対象経費:専門家経費、研修費)
  • 「ものづくり補助金」
    (対象経費:専門家経費)

これらの補助金に関しては、業種・状況次第にはなりますが、申請できる可能性があります。

「今後、自社で従業員に研修などを行ってみたい」「教育体制をより充実させたい……」という場合は、補助金の活用をぜひご検討ください。

人的資本経営を成功させ、企業価値を高めましょう!

この記事では、人的資本経営の成功事例5つを解説しました。

企業間の競争が激しくなっている現代では、人材の価値を引き出す経営スタイルは欠かせないものです。自社の成長を強く後押しする、人的資本経営をぜひ実践してみてはいかがでしょうか?

 

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