「労働時間短縮・年休促進支援コース」は、企業の生産性を向上させ、労働時間の縮減や年次有給休暇の促進に向けた環境整備に取り組む中小企業事業主に助成金を支給する制度です。
2023年度の交付申請期限は、2023年11月30日(木)までです。
ただし、申請状況によっては交付申請期限以前に受付を締め切ることがあります。
交付申請の予定がある場合は、お早めにご申請ください。
この記事の目次
「労働時間短縮・年休促進支援コース」とはどのような制度?
令和2年4月1日から、中小企業に時間外労働の上限規制が適用されています。
「労働時間短縮・年休促進支援コース」は、生産性を向上させ、労働時間の縮減や年次有給休暇の促進に向けた環境整備に取り組む中小企業事業主を支援する制度です。
「労働時間短縮・年休促進支援コース」には「成果目標」が定められています。
この「成果目標」の達成状況に応じて、助成対象となる取り組みの実施に要した経費の一部が支給されます。
助成金を使った取り組みの例:
課題:始業・終業時刻を手書きで記録しており管理上のミスが多い
助成金を使った取り組み:労務管理用機器、ソフトウェアを導入
改善の結果:記録方法を台帳からICカードに切り替えたことで、始業・終業時刻を正確に管理できるようになり、業務量の平準化につながった
対象となる事業主は?「労働時間短縮・年休促進支援コース」の適用条件
「労働時間短縮・年休促進支援コース」の対象事業主は以下、いずれにも該当している必要があります。
- (1) 労働者災害補償保険の適用を受ける中小企業事業主であること
- (2) 年5日の年次有給休暇の取得に向けて就業規則等を整備していること
- (3) 交付申請時点で「成果目標」の設定に向けた条件を満たしていること
「不妊治療両立支援コース助成金」事業者が取り組む項目とは
不妊治療のために次の(1)~(7)のいずれか、または複数の制度を組み合わせて導入し、利用しやすい環境整備に取り組み、不妊治療を行う労働者に休暇制度・両立支援制度を利用させた中小企業事業主を支援します。
- (1) 労務管理担当者に対する研修
- (2) 労働者に対する研修、周知・啓発
- (3) 外部専門家によるコンサルティング
- (4) 就業規則・労使協定等の作成・変更
- (5) 人材確保に向けた取り組み
- (6) 労務管理用ソフトウェア、労務管理用 機器、デジタル式運行記録計の導入・ 更新
- (7) 労働能率の増進に資する設備・機器などの 導入・更新
「成果目標」について
- (1) 月60時間を超える36協定の時間外・休日労働時間数を縮減させること
- (2) 年次有給休暇の計画的付与制度を新たに導入すること
- (3) 時間単位の年次有給休暇制度を新たに導入し、かつ、 交付要綱で規定する特別休暇(病気休暇、教育訓練 休暇、ボランティア休暇、新型コロナウイルス感染症 対応のための休暇、不妊治療のための休暇、時間単位 の特別休暇)のいずれか1つ以上を新たに導入すること。
事業主は(1)~(3)の「成果目標」から1つ以上を選択の上、達成を目指して取り組みを実施します。
また、これらの「成果目標」に、「指定する労働者の時間当たりの賃金額を3%以上または、5%以上で賃金引き上げを行うこと」(賃金加算額)を加えることができます。
「労働時間短縮・年休促進支援コース」の助成額はどれくらい?
「成果目標」の達成状況に応じて、助成対象となる取り組みの実施に要した経費の一部を支給します。(最大730万円)
以下(1)、(2)のいずれか低い方の額を助成します。
- (1)「成果目標」(1)~(4)の上限額と賃金加算額の合計額
- (2)対象経費の合計額×補助率3/4
例:
・「成果目標」の「年次有給休暇の計画的付与制度を新たに導入すること」と、賃金加算額(引き上げ人数1人、3%以上引き上げ)を選択
・対象経費の合計額×補助率3/4は70万円
「年次有給休暇の計画的付与制度を新たに導入すること」の上限は25万円、賃金加算額の上限額は、引き上げ人数1人、3%以上引き上げの場合15万円です。
「成果目標」上限額と賃金加算額の合計額は、25万円+15万円=40万円になります。
対象経費の合計額×補助率3/4は70万円。
これらを比較すると前者の金額が低くなるので、助成金は40万円となります。
「成果目標」上限額についてはリーフレットをご覧ください。
「労働時間短縮・年休促進支援コース」の申請までの流れ
「労働時間短縮・年休促進支援コース」の申請の主な流れは、交付申請書→取組実施→支給申請書提出→支給です。
- (1) 11月30 日(木)までに「交付申請書」を、最寄りの労働局雇用環境・均等部(室)に提出する
- (2) 都道府県労働局から交付・不交付の決定通知が連絡される
- (3) 交付決定後、提出した計画に沿って令和6年1月31 日(水)までに取組を実施する
- (4) 労働局に支給申請する
- (5) 都道府県労働局が支給・不支給の決定・通知、助成金の支給手続を行う
- (6) 助成金受取
支給申請の期限は、事業実施予定期間が終了した日から起算して30日後の日または2月9日(金)のいずれか早い日です。
また、「労働時間短縮・年休促進支援コース」は国の予算額に制約されるため、11月30日以前に、予告なく受付を締め切る場合があります。
「労働時間短縮・年休促進支援コース」の申請書類は厚生省のHPよりダウンロードしてください。
出典:厚生労働省