【新株予約権】従業員のモチベーションアップに有効?4つの分類について深掘りします!

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目次

新株予約権って何?

新株予約権とは、あらかじめ決められた条件と金額で株式の購入が可能となる権利のことです。
権利行使価格(事前に定められた価格)を支払うと、会社が新たに発行する株式や保有している株式を取得することができます。
 
新株予約権は用途によって次の4つに分類されます。
  1. 社内向け発行(Stock Option)
  1. 社外向け発行
  1. 無償割当
  1. 有利発行

1.社内向け発行(Stock Option)について

新株予約権(Stock Option)は、従業員や取締役などに対して発行される社内向けのインセンティブ(社員の行動や実績を評価し、月給やボーナスとは別に報酬として反映する)制度です。
 

この制度では、会社の株式の価値が上昇した際に、あらかじめ定められた行使価格で株式を取得することが可能です。これにより、従業員が会社の成長や価値向上に貢献することで報酬に直結する仕組みとなっています。

 従業員や取締役などが途中で退社した場合には、新株予約権を行使(自社株の購入)をできないと条項に定められています。

2.社外向け発行について

社外向け発行とは、株式会社が社外の投資家などに向けて発行する新株予約権のことです
主に資金調達を目的に行われます。
 

新株予約権の社外発行によるメリットは、「返済義務のない資金調達が可能」という点です。
新株予約権は負債ではないため、返済義務が発生しません。これにより、財務への負担を最小限に抑えながら資金を調達することができます。

しかし「過度な発行は株式の価値を減少させててしまい、既存の株主に損害を与える可能性がある」というデメリットもあります。適切な数量と価格設定のバランスを保つため、新株予約権の発行には慎重な判断が重要です。

3.無償割当について

無償割当とは、既存株主に無償で新株予約権を割り当てることです。
 

新株を大量に発行すると、既存株主が保有する株式の価値減少が懸念されます。そこで無償割当を通じてバランスを取り、既存株主の株価を守ることが目的です

例えば大規模な増資を行う際など、新株を大量に発行する場合によく利用されます。

4.有利発行について

有利発行とは、特定の人や法人に対して通常よりも有利な条件で新株予約権を発行することです。
有利発行は、新たに株主になる人にとっては喜ばしいものですが、既存の株主にとっては不公平な取引となる可能性があります。そのため、有利発行を行う前には株主総会で発行理由を説明し、特別決議で承認を得る必要があります。

 

有利発行は、債務超過の解消を目的とした資金調達など、経営難に直面している会社が一時的な処置として利用することがあります。
ただし、有利発行は「株式の安売り」とも言われることから、株主と会社側の利害が衝突する可能性があるため、慎重な判断が求められます。

新株予約権の登記手続きについて

株式会社が新株予約権の発行を行った場合、割当の日から2週間以内に法務局への登記申請を行います。

登記申請書に記載する主な内容は下記のとおりです。

・新株予約権の名称
株式会社◯◯第◯回新株予約権

・新株予約権の数
◯個

・新株予約権の目的たる株式の種類及び数またはその算定方法
新株予約権の目的である株式の種類は当社普通株式とし、各新株予約権の目的である株式の数は 100 株とする。

・募集新株予約権の払込金額もしくはその算定方法または払込みを要しないとする旨
新株予約権と引換えの金銭の払込みはこれを要しない。

なお、職務執行の対価として公正発行により付与される新株予約権であり、有利な条件による発行に該当しない。

・新株予約権の行使に際して出資される財産の価額またはその算定方法
新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、新株予約権の行使により交付を受けることができる株式 1 株当たりの払込金額(以下、「行使価額」)に当該新株予約権に係る付与株式数を乗じた金額とする。

行使価額は、新株予約権の割当日の東京証券取引所における当社普通株式の普通取引の終値(取引が成立しない場合はそれに先立つ直近日の終値)に 1.025 を乗じた金額(1円未満の端数は切り上げる)とする。

・新株予約権を行使することができる期間
◯年◯月◯日から◯年◯月◯日まで

・新株予約権の行使の条件
新株予約権の割当てを受けた者は、新株予約権行使時において、当社又は当社関係会社の取締役、監査役、執行役員、理事、顧問、事業顧問、従業員、再雇用者、嘱託、その他これに準ずる地位にあることを要する。

・会社が新株予約権を取得することができる事由及び取得の条件
新株予約権の行使の条件に該当しなくなったため、新株予約権の全部又は一部を行使できなくなった場合には、当社は当該新株予約権を無償で取得する。