この記事の目次
「キャリアアップ助成金」とは
「キャリアアップ助成金」は、次のような非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化や処遇改善の取組を実施した事業主に対して助成する制度です。
・有期雇用労働者
・短時間労働者
・派遣労働者
またキャリアアップ助成金は、下記2つのコースに分けられています。
・正社員化支援コース
・処遇改善支援コース
「キャリアアップ助成金 賞与・退職金制度導入コース」は、処遇改善支援コースの一つに該当します。
「キャリアアップ助成金 賞与・退職金制度導入コース」とは
「キャリアアップ助成金 賞与・退職金制度導入コース」は、就業規則または労働協約の定めるところにより、すべての有期雇用労働者等に対し、賞与・退職金制度を新たに設け、支給もしくは積立てを実施した場合に助成される制度です。
「キャリアアップ助成金」のパンフレット
(※賞与・退職金制度導入コースの詳細は、46~50ページをご覧ください。)
有期雇用労働者について
事業主と期間の定めのある労働契約を締結する労働者のことを、有期雇用労働者と言います。たとえば「パートタイマー」「アルバイト」など呼び方は異なっても、当条件に該当すれば有期雇用労働者です。
「キャリアアップ助成金」の支援対象となる事業主の条件
- (1) 雇用保険適用事業所の事業主
- (2) 雇用保険適用事業所ごとに、キャリアアップ管理者を置いている事業主(※キャリアアップ管理者は、複数の事業所および労働者代表との兼任は不可)
- (3) 雇用保険適用事業所ごとに、対象労働者に対するキャリアアップ計画を作成し、管轄労働局長の受給資格の認定を受けた事業主
- (4)実施するコースの対象労働者の労働条件、勤務状況や賃金の支払い状況等を明らかにする書類を整備し、賃金の算出方法を明らかにできる事業主
- (5) キャリアアップ計画期間内に、キャリアアップに取り組んだ事業主
キャリアアップ管理者について
各事業所における有期雇用労働者等のキャリアアップを図る取組が積極的に進むよう、事業所ごとに“有期雇用労働者等のキャリアアップに取り組む者”として、必要な知識及び経験を有していると認められる者を指します。
キャリアアップ計画について
企業ごとに雇用管理の在り方が多様であることを前提に、社内の人材確保等の現状を分析した上で、有期雇用労働者等のキャリアアップにおける課題を、有期雇用労働者等の意見を踏まえ、それらを社内で検討および対応方針案を作成する計画を指します。
有期雇用労働者等のキャリアアップに向けた取り組みを計画的に進めるために、欠かせないアクションといえるでしょう。
「キャリアアップ助成金 賞与・退職金制度導入コース」の支援対象となる事業主の条件
「キャリアアップ助成金 賞与・退職金制度導入コース」の支援を受けるには、上記の「キャリアアップ助成金の支援対象となる事業主の条件」に加え、次の(1)~(7)すべてに該当する必要があります。詳細は下記のこちらの47ページをご覧ください。
- (1)就業規則もしくは労働協約の定めにより、その雇用するすべての有期雇用労働者等に対し、賞与または退職金制度、あるいはその両方を新たに設けた事業主
- (2)上記(1)の制度に基づき、対象労働者1人当たり次に掲げる(a)もしくは(b)、またはその両方に該当する事業主
- (a)賞与については、6か月分相当として50,000円以上支給した事業主
- (b)退職金については、1か月分相当として3,000円以上を6か月分、もしくは6か月分相当し、18,000円以上積立てした事業主
- (3)(1)の制度をすべての有期雇用労働者等に適用させた事業主
- (4)(1)の制度を初回の賞与の支給、または退職金の積立て後6か月以上運用している事業主
- (5)(1)の制度の適用を受けるすべての有期雇用労働者等について、適用前と比べて基本給、または定額で支給されている諸手当を減額していない事業主で (※諸手当:名称の如何は問わず、実費弁償的なものや毎月の状況により変動することが見込まれるものも含みます。)
- (6)支給申請日において賞与もしくは退職金制度、またはその両方を継続して運用している事業主であること
- (7)(2)(b)の適用を受ける場合、支給決定後に積立金等が確認できる書類を提出することに同意している事業主
「キャリアアップ助成金 賞与・退職金制度導入コース」の対象となる労働者
次の(1)~(4)全てに該当する労働者が「キャリアアップ助成金 賞与・退職金制度導入コース」の対象になります。詳細はこちらの46ページをご覧ください。
- (1)新設日の前日から起算し、3か月以上前の日から新設日以降6か月以上の期間に継続し、支給対象事業主に雇用されている有期雇用労働者等。またこの期間については、新設日以降に勤務をした日数が11日未満の月は除く。ただし、有給休暇等の労働対価が全額支給された日は出勤日と見なす。(※新設日:賞与もしくは退職金制度またはその両方を新たに設けた日、制度施行日を指します。)
- (2)賞与あるいは退職金制度、またはその両方を新たに設け、初回の賞与支給もしくは退職金の積立てをした日以降の6か月間、当該対象適用事業所にて、雇用保険被保険者であること
- (3)賞与もしくは退職金制度、またはその両方を新たに設け適用した事業所の事業主または取締役の3親等以内の親族(※親族:民法 明治29年法律第89号第725条、第1号に規定する血族のうち3親等以内の者、同条第2号に規定する配偶者、および同条第3号に規定する姻族を言います。)
- (4)支給申請日において離職していない者(※離職:本人の都合による離職および天災、その他やむを得ない理由のために事業の継続が困難となったこと、または本人の責めに帰すべき理由による解雇を除きます。)
「キャリアアップ助成金 賞与・退職金制度導入コース」の助成額
「キャリアアップ助成金 賞与・退職金制度導入コース」の1事業所あたりの助成額については、こちらをご覧ください。
※1事業所あたり1回のみ
※ 過去に「旧諸手当制度共通化コース」、または「旧諸手当制度等共通化コース」の助成金の支給を受けている場合は、本コースの支給対象外です。
(健康診断制度を新たに設け、実施した場合の助成のみを受けている場合は除きます。)
「キャリアアップ助成金 賞与・退職金制度導入コース」支給申請をするには?
「キャリアアップ助成金 賞与・退職金制度導入コース」を支給申請するには、下記3つの工程を段階的に進める必要があります。
- (1) キャリアアップ計画の作成、届出
- (2) 支給要件を満たす取り組みの実施(必要に応じて、就業規則等の規定整備)
- (3) 取り組み実施後、6か月分の賃金支払い後に申請
「キャリアアップ助成金 賞与・退職金制度導入コース」支給申請の流れ
「キャリアアップ助成金 賞与・退職金制度導入コース」支給申請の必要書類
また「キャリアアップ助成金 賞与・退職金制度導入コース」の申請には、支給申請書(様式第3号、別添様式5)が必要です。支給申請書は以下よりダウンロードできます。
添付書類一覧について
「キャリアアップ助成金 賞与・退職金制度導入コース」の支給申請書には、以下の書類を添付します。
- (1) 管轄労働局長の認定を受けたキャリア アップ計画書(写)※変更届を提出している場合、当該変更届を含む。
- (2)対象労働者の延長前後の雇用契約書、または労働条件通知書等(写)
- (3) 対象労働者の延長前後の雇用契約書、または労働条件通知書等(写)
- (4)賃金台帳等に関する確認書
- (5)対象労働者全員の週所定労働時間延長前後の出勤簿またはタイムカード等(写)
支給申請に必要な書類等をより詳しく知りたい方は、こちらの54ページをご覧ください。
出典:厚生労働省